当時、電気や磁石に関する事実はだんだんと知られてきてはいたのですが、ごく簡単な定性的なものに留まっていました。
1550年頃カルダーノは磁石と琥珀で物を引きつける性質が違うことに気づきそれぞれ違う力が働いているのだと区別しました。
1600年頃ギルバートは地球は磁石であること、電気という概念、摩擦で電気が作られることを発見します。
1660年頃ゲリーケの発明した起電機は硫黄球を手で摩擦して静電気を得るものだったそうです。
1729年グレイは金属が電気を通すことや絹糸のように電気を通さないものがあることを発見。
1733年デュフェイは電気には2種類あり、同種の電気は反発し異種の電気は引き合うことを発見。
1746年ミュッセンブルクはガラスの中に電気を集積させるライデン瓶という装置を発明。
1752年フランクリンは雷をライデン瓶に集め、雷の正体が電気であることを発見。
ライデン瓶は1751年日本にも入ってきました。1776年これを平賀源内が復元したのがエレキテルです。
世界はもうすぐ産業革命が始まろうとしていましたが、電気についてはまだ知られ始めたばかりです。
1784年、クーロンは電荷を帯びた2つの小球の間にはたらく引力および斥力をねじれ秤を用いて測定しました。 そして2つの電荷の間に働く力には次の関係式が成り立つことを発見しました。
$F$ が力、$q_1$ と $q_2$ はそれぞれの電荷量、$r$ は電荷間の距離です。 $k$ は比例定数ですが、このときまだ電荷量の単位も決まっていなかったので具体的な数値は一旦気にしないでおきましょう。
これは万有引力の方程式 $\displaystyle F = G \frac{Mm}{r^2}$ ともよく似ています。
ただし万有引力では質量の間に必ず引力が働くのに対し、電荷は同種(+と+、−と−)なら斥力が働き、異種(+と−)なら引力が働きます。