ガリレオの時代は望遠鏡が発明され天体観測の精度が上がります。
ガリレオも木星の周りを回る衛星、金星の満ち欠けや大きさの変化を発見し地動説を確信します。
しかし地動説には一つの大きな疑問が残っていました。
地球が動いているならば、そこに乗っている我々は何故振り落とさなれないのかということです。
ガリレオのは、重い物体は軽い物体より速く落下するはずという当時の常識を打ち破りました。 鉄球のように空気抵抗の影響をあまり受けない物体は、重さに関係なく同じように落ちることを実験で確かめています。 もし地球に空気抵抗がなければ軽い鳥の羽も重い鉄球も同じように落ちるはずです。
ガリレオは滑りやすく傾いていない床の上でボールを転がせばどこまでもずっと同じ速度で動き続けるということを発見しました。 止まっている物体に力を加えなければそのまま止まり続けます。 動いている物体に力を加えなければそのまま動き続けます。 この法則が次に述べるガリレイの相対性原理に繋がります。
大きな船に乗っているとき、その船が動いているのか止まっているのかわからなくなることがあります。 もちろん陸地から見れば船は動いているように見えるはずです。 船のマストから落ちた物は船と一緒に前進しながら、放物線を描いて落ちていくように見えるでしょう。
しかしこれを船上で見れば、物は真っすぐにマストの真下に落ちていくように見えるはずです。 船のクルーたちは船上の出来事を観察しても自分たちが動いているかどうかを判断することはできません。
船のクルーたちにとって動いているのは陸地の方と考えても構いません。 これはどちらかが正しくどちらかが間違っているわけではありません。 どちらで考えてもつじつまが合うのです。 「本当に止まっているのは船なのか陸地なのか」これは我々が慣習として陸地が止まっていると決めているだけで物理的には区別できないものなのです。
コペルニクスやガリレオは長い時間をかけて夜空の星々を観察し、地球が太陽の周りを回っていることに気づきました。 つまり厳密には地球は慣性運動ではありません。
しかし我々がそれを感じることはほとんどありません。 これは人間のスケールで見たとき、地球は穏やかな海を進む船のように、ほとんど慣性運動と区別のつかないような動きをしているためです。 地球上の人には地球が止まっているように感じられます。